お客様より時々戒名(法名)・俗名・お亡くなりになった日付を彫刻する必要がありますか
とのご質問を頂きます。
そのような時、私は次のようなお話しをさせて頂きます。
私どもは追加彫刻やお墓の建て替えの時に、とても昔の方の戒名やお名前に出会うことがあります。
例えば『真月乗蓮信女』これは江戸の天保年代に生きられた女性のご戒名です。
一昨年お墓の建て替えで出会いましたが、とても透明ですてきな女性に出会えたような気がして、 思わずその年代に起きた様々な出来事に興味を持ったりしました。
同じ天保年間では同じ年に亡くなった小さな子供たち2名のお墓があったりもしました。
またこんな事も、ある日神戸方面からご依頼された同じ日にお亡くなりになったお母様と小さなお子様の追加彫刻。
私はその日にちを見てはっとしました。あの阪神大震災の日付・・・ もしこの方たちのご子孫(ゆかりの方たち)がいつかこの彫刻に出会われた時、やはり私と同じように 『なぜ、どうして』とこの時のこと(震災の事)を調べたりする一つのきっかけになったりもするのではないでしょうか。
お一人お一人の人生にいろんな思いや出来事があり、それを表すにはたった一行かもしれませんが、 後の人にとってお名前がそこにあるだけで、身近に感じたり何かを思ったりするきっかけになるものではないでしょうかって。
中には彫刻をする代わりに、写経筒に亡くなられた方のお名前や直筆の書などを入れて
お墓に埋め込んだり、納骨室に一緒に納めたりすることもあります。